Tilakの3ブランドTilak/POUTNIK/TMG
Tilak(ティラック)は東欧チェコの東部に位置するSumperkという片田舎に本拠地をもつアウトドアウェアのブランド。そのラインナップには3つのブランド(カテゴリー)が存在しています。採用シーンで枝分かれしたラインナップがそれぞれブランド化しました。
今回はそれぞれのブランドの成り立ちやキャラクターと、主要モデルを体系的にご紹介します。
これをきっかけにTilakというブランドの奥深さや、チェコという国を知って頂く機会になれば嬉しいですし、Tilakのアイテムも少し違った角度から見て、手にとって、着用してもらえるのではないかと。
まずはTilak(ティラック)のアウトドアラインから
Tilak(ティラック)はメインストリームのアウトドアライン。
そもそもTilakの始まりはファウンダー(創設者)のRoman Kamler(以後:ローマン)が1986年に立ち上げたことから始まります。詳しくは日本公式サイトをご覧いただくとして、
(http://www.barriojapan.com/tilak.html)
プロダクトは、どれも想定されたシーンで、どういう目的で着用されるかのコンセプトをしっかり持ったアイテムばかりです。それはローマン自身が登山家(クライマー)であることが大きく影響しています。ローマンが世界中の山々でテストしてくるのですから説得力もあろうというものです。もちろん他の様々なアンバサダーがTilak のウェアを着用してアクティビティーをこなした結果がプロダクトに反映されています。シーズンごとに細かな仕様変更があるのもうなずけます。
さらにこのアウトドアラインの中には3つのカテゴリーがあります。
「ASCENT」(アセント)
「HIKING」(ハイキング)
「ESSENTIALS」(エッセンシャル)
アウトドアシーンの中でもカテゴリー分けされています。
「ASCENT」(アセント)は
より過酷なシーン(数千メートルの高山、アイスクライミング、ハイアクティビティーシーンなど)を想定したモデルがラインナップ。
代表的なモデルはフラッグシップのひとつ「Evolution Jacket」。アイスクライミングでの仕様を想定しているプロダクトです。他にもシェル(GORE-TEX®ジャケット)ではフラッグシップの双璧「Raptor」、軽量をメインコンセプトに据えた「Stinger」、「Stinger Pro」。
インシュレーションでは「Svalbard」、「Ketil」、「Spike」がラインナップされます。「Aira」「Nebba」もこのカテゴリーです。
「HIKING」(ハイキング)は
名のとおり一般的なアウトドアシーンを想定したバランスのとれたプロダクトがラインナップ。
「Loke」(ルケ)、「Odin」(オディン)はベンタイルというコットンの高密度織りのファブリックを採用したモデル。GORE-TEX®には無いアドバンテージ(優位性)のあるファブリックです。乾いているときの生地のしなやかさと異なり、洗濯などで完全に濡れた状態だと、ジャケットが自立するのではと思うくらい「バキバキ」の硬さに(驚)。この硬さは高密度織りのファブリックの証明とも言えます。もちろん乾けば元通りのしなやかさです。
その他は「Storm」、「Tind」が挙げられます。
「ESSENTIALS」(エッセンシャル)はいわゆる2ndレイヤーやアクセサリー類。
POLARTEC® POWERSTRETCH®を好んで採用しています。いわゆる高級フリースです。保温性・ストレッチ性に優れています。
「Femund」、「Serak」をラインナップ。
さらに1stレイヤー使いも可能な「Mera」(Shirts、Hoodie、Pants)は日本の企業の帝人が提供するポリエステルファブリック。このDELTAPEAK® TLは目まぐるしく変わるアウトドアシーンの温度・湿度環境に対応することで、汗冷えを抑えつつ保温も可能な高機能ファブリックです。
これでTilakのカテゴリーは一段落。
次はアーバンユース(街使い)のPOUTNIK(ポートニック)です。
POUTNIK(ポートニック)はアーバンユース(街使い)を想定したシーンをコンセプトに持つTilakブランド。チェコ語で巡礼者・旅人の意。ロゴマークの杖をつきマントを纏った巡礼者のシルエットが目を引きます。
アウトドアウェアで培った仕様を随所に落とし込みアーバンユースにアレンジしたラインナップは、アウトドアラインのプロダクトを街で使うクロスオーバー ユースとは違ったフィット感があります。
GORE-TEX® ジャケットからインシュレーション(中綿)ジャケット、ベスト、フリース(カットソー・ジャケット)、パンツ、ネックウォーマーまでフルラインナップ。一時期ベンタイルコットンのバックパックもラインナップされていました(現在は廃盤)。
「Caw」、「Blade」、「Pygmy」、「Sage」、「Monk」、「Raven」、「Dagger」がラインナップ。
「Caw Jacket」は両サイドのマチのあるパッチ・チェストポケットが秀逸で、スマホを始め、LEDライトやグローブなど厚みのあるものを収納しても着用に違和感がほとんどないのは実際使ってみて初めてわかるPOUTNIKアレンジですね。
ストレッチファブリックが特徴のテーパードパンツ「Monk Pants」はリピーターが特に多いPOUTNIK定番のプロダクト。「出張の際にはこのパンツでないと(特に海外の飛行機での)」とおっしゃるユーザーさんが多数おられます。数年着用しても表面にピリング(毛玉)がほとんど見受けられないのもリピーターの多い理由のひとつでしょうか。
3つめのブランドは「TMG」(Tilak Military Gear)です。
TMG「Tilak Military Gear」はアウトドアシーンとは異なるも、その過酷さは同等以上とも言える環境下で活躍する特殊部隊のウェアや軍隊でのトレーニングウェアをラインナップします。
始まりのモデルは「Noshaq MiG」(ノシャック)。アフガニスタン最高峰の山の名前から取られたこのモデルは、チェコ軍の一部の士官のトレーニングウェアとしてTilakに依頼があってプロダクションしたアイテム。今では数々のアップデート経てTMGでは欠かせない定番モデルとなっています。
チェコ国内で自社工場を持ち、卓越したプロダクション品質管理がヨーロッパ中に知れ渡ってくると、チェコ警察の特殊部隊や、ヨーロッパの各国の特殊部隊などから依頼が舞い込んできます。スタートアップは「Noshaq MiG」だけだったラインナップも数々のモデルがロールアウトし「TMG」としてブランド化されました。
Tilakのシンボルマークでもあるフード正面のティカ(赤いドット)や、胸のブランド名刺繍などを廃し、TMGアイテム着用シーンでの要望に対応する徹底ぶり。モデル名には「MiG」のネームが追加されています。もちろんTMGプロダクトにはアウトドアラインにはない、さらなる補強仕様やファブリックのセレクトが適用されます。
Tilakのローマンはこの「TMG」ブランドのコンセプトを
「人命救助に尽力する人たちの命を守るウェアを提供している」。
と語っています。いろいろなご意見あるかと思いますが、軍隊にウェアを納入し莫大な利益を生むことよりも、製作依頼内容と使用シーン・背景を吟味してプロダクションすることを重要視しているのを感じます。決して戦争というシュチュエーションでTilakのウェアが活躍することを望んでいないのだなと感じた印象的なエピソードです。
実際に特殊部隊や軍隊に納品されるファブリック・仕様と同じものが日本国内で手にとって着用できることがTMGの魅力のひとつです。
最後に、一般販売されていないアイテムですがTilakは設立初期の頃からチェコ国内のマウンテンレスキュー(山岳救援隊)にウェアを納品しています。
ローマンが自然や山を愛する登山家であることが、きっかけのひとつだったかもしれませんが、Tilakの自社工場が生み出すプロダクトの品質の高さが、より過酷なシーンでプロフェッショナルの信頼を得ている証明でもあるエピソードです。
このチェコ マウンテン レスキューでのプロダクション製作の経験と積み重ねが「TMG」プロダクトの展開にも繋がっています。
さて長らくお付き合いいただきありがとうございます。
Tilakのラインナップ、体系的にお伝えできていましたでしょうか?
まだまだ語り足りずお伝えしたいエピソードはありますが、一旦ここで締めくくりたいと思います。
東欧はチェコ共和国の東部の片田舎、決して経済的に有利な地域ではないに本拠地を置くTilakというブランドが生み出すプロダクトは、
「Tilakのウェアを着用するとき、あなたはTilakの庇護下にある」。
と宣言するほどに、チェコ国内の自社工場でローマンとスタッフを含めその工員たちが誇りを持ち、つくりあげてきたものです。こんなプロダクトは一朝一夕で出来上がるものではないと私達は確信しています。
■Tilak/POUTNIK/TMG
https://grgb.stores.jp/?category_id=5f7c2618fbe5b56eae0e984d
■Tilak公式サイト
http://www.barriojapan.com/tilak.html
■SNS-Instagram
@tilak_jpn_official
https://www.instagram.com/tilak_jpn_official/